研究室で日夜研究に勤める田上と圭子、どうにか第一号の試作品が出来た。ところがこの薬をどうやって試すかが問題になった。時田から毎日のように催促される田上は、頭を悩ませていた。 ある晩、田上は通りがかりのバーで酒を飲んでいた。頭は新薬のことで一杯であった。常時胸ポケットに持ち歩いている。ふと鼻につく甘ったるい香りに振り向くと、一人で酒を飲んでいる田口美加がいた。酒の酔いのせいか焦点の妖しげな目で田上を見ていた。田上は薬を試すチャンスとばかり美加に近づき、グラスに白い錠剤を入れた。知らずにその酒を飲んだ美加は自分から田上をホテルに誘う。べットの上で狂ったように田上を求める美加。 「おかしいわ、あたし変な感じ……どうして、どうして」
美加は薬のせいで自分でもセーブ出来なくなっていた。田上は思った以上の薬の成果にほくそ笑んでいた。ところがl時間もすると徐々に薬の劾き目が薄れてきた。美加のあえぐ声のトーンが落ち、羞恥心が出てきた。第一号の試作品の思いがけない欠陥を知らされた田上であった