「ヒイイッ! なによコレ!」
逃げようとするエミ子に菊坂は襲いかかり、緊縛の上剃毛、レイプする。
そして菊坂とカズミのプレイはクライマックスに近づいていく。カズミの演じる未亡人は夫の後を追って自殺することを決意。菊坂が演じる「男」は、カズミを愛する余り、「自分も一緒に死ぬよ」という。
すでに二人とも、現実と虚構の区別があいまいになりつつあった。
二人は「死に至る儀式」として、今までよりも激しいSMプレイをする。緊縛、バイブ、そしてロープで互いの首を締め合いながら意識が遠退くのを楽しみ、「死の甘美さ」を口にし合うのだった。
そしてプレイの後、菊坂は睡眠薬を出し、カズミに渡す。ふたりは芝居の続きのように薬を飲むのだった。
やがて眠りにつく二人は、本当に心中したかのように見えた… 菊坂はバスタブにつかりながら、鼻歌まじりにブクブクと沈んでいく。そしてカズミの方は、うっすらと目を開けるのだった。(なんだ。私、死ななかったのね)
自嘲的に微笑むカズミ。
後日、カズミは別の客とホテルにいる。今までとは違う設定の女を演じ、また嘘の身の上話を始める彼女だった…