
そんな菊夫がとある田舎のバス停に降り立った。ベンチに座っていた爺さんから、この辺の大地主が愛人の娘にやらせている旅館があると聞かされ、菊夫はその旅館を訪れた。その男は東京に妻子を残してこの地で温泉を掘り当て、愛人に子供を生ませた。やがて愛人は死に、東京の奥さんと子供が見つからぬまま自分も寝たきりになったのだった。菊夫は女将のさゆりに自分は兄だと告げ、嘘がバレぬよう様子を伺いながら父・謙造と会った。そしてオーバーな演技で涙を流しながら謙造に詫び、白々しく抱きしめた。板前の祐介はさゆりに本当の兄かどうかよく確かめた方がいいと言った。
翌朝、今度は謙造のもう一人の子で菊夫の姉だというよしえが現れ…。