その日も朝食もとらずに女の元へ走って行った。もちろん由紀や家の者には仕事と称して出かけて行った。
ちょうどその日、牧夫の何番目かの妻の息子・真一がやって来た。ベランダでまどろんでいた由紀の表情が曇る。
以前、真一がこの家に戻って来た時のことだった。由紀がシャワーを浴びているとガラス越しに人の視線を感じた。少しだけ開いた隙間から真一が覗いていた。由紀に見付けられるとあわてて、「失礼、俺シャワー浴びようと思って」と言って逃げ去った。 その後も由紀がお風呂に入っていると必ず真一が覗きに来た。由紀がそのことに気付いていることを承知で見ていた。その真一がまた戻って来た。由紀にとっては不愉快だった。
