そんなワケで、舞子は介護ヘルパーになった。
介護ヘルパーの仕事は、多岐に渡る。買い物や掃除、洗濯、食事の用意などの家事全般から、トイレや入浴の介助もする。
今日、舞子が担当するのは鈴木有三と言う老人。これまで、男性のヘルパーが担当だったのだが異動になって、舞子の受け持ちになったのだ。
妻に先立たれひとり暮らしの有三は、とても優しい人柄だった。せっせと働く舞子の姿を見て、「あんたを見てると、ひとり娘の光子を想い出すよ」と嬉しそうに語った。「光子は、優しい子でなぁ。今は、仕事が忙しくて別々に暮らしているが、時々帰って来ては、よくしてくれるんじゃ」