卓は真矢のメールから優里の父親はかつて自分の上司だった隆敏だと思っていた。隆敏は資産家の一人息子でイケメンで頭も良くエリートコースを歩んでいた。卓は若くて将来も有望な年下の上司を本当に敬愛し、しょっちゅう自宅へ招いて歓待していた。真矢は敬虔なクリスチャンで夫や娘に強制的に信仰を強いた。卓は強い妻に従ったが、本心では神を信じていなかった。
隆敏は最近うつ病気味で、最近の記憶がないのに十数年前のことを細やかに思い出す。18年前に付き合った真矢のことが頭に浮かんで離れないのだった。優里は本当の父が誰かと真矢から聞かされており、神様が啓示して卓と会う時を待っていた…。