朱美の誕生日、二人は朱美の家で二人きりの夜を過ごしていた。朱美は両親が仕事で海外へ赴任していて一人暮らしなのだ。
キャンドルに火をともす。ムードが盛り上がる。朱美は幸福の絶頂だ。ところが突然純一が呻くように泣き出してしまう。朱美がわけを訊いてみると、純一は朱美にプレゼントをしたいがあまり金がなく、それでもなんとか指輪でも贈りたいと考えていた。それでチラシ配りのバイトをしたがそこで知り合った男に競馬に誘われ、ちょっと勝ったのに勢いづいて有り金全部注ざ込んであっと言う間にすっからかんになってしまった。これでは生活すらままならない。純一はサラ金に手を出し、気がつくと借金が3百万円ほどにも膨らんでいたというのだ。
恋人の誕生日に借金抱えて何のプレゼントもしてあげられないのが悔しいと嘆く純一を優しく慰める朱美。
「あなたがそばにいてくれる。それが一番のプレゼントよ」
しかし朱美は心の中で、これは私がなんとかしなければいけない、と決意を固めるのだった。
と言うことで朱美は自宅でのぞき部屋をやっている。幸い両親はいないし、純一は誕生日以来バイトに明け暮れている。友人に相談するとやっばり女がてっとり早く金を稼ぐのはセックスしかない。とは言っても売春するほどぶっ飛べないしでオナニーをこっそり見せるだけののぞき部屋になったのだった。
朱美は純一を思ってオナニーにせいを出す。そこに一人の女が乗り込んで来た、女はのぞき部屋の女王、人呼んでアクメのゆかりだと名乗り、素人が若いってだけで客を呼ぶとは許せないと食ってかかる。
朱美はきっとこの世界にも筋というものがあるのだと、素人ながらに仁義を切った。ゆかりもそんな朱美の態度に好感を覚えてオナニーとはこうやるもんだとばかりそこで実演を始めた。それは濃密なオナニーである。期せずして壁の向こうから拍手が巻き起こつた。
去って行こうとするゆかりの前に朱美は土下座してオナニーの指南を乞うた。
ゆかりの特訓で煽情的な官能のアクメフェイスを身につけた朱美、朱美の事情を知って協力を申し出たゆかりとともにダブルオナニーで客を引きつけた。
そこに噂を聞きつけた朱美の高校の教師、水田一雄がこっそりとやって来る。水田はやめさせるつもりがそのあまりの官能に思わずマスをかいてしまった。
しかしそのままほって置くわけにもいかない。朱美に注意する水田だったがそこにゆかりが現れて愕然とする。ゆかりは水田が高校時代に一緒にグレていた仲間だったのだ。
「あんたは大学に行って、すっかり汚れちまったんだ。だからこの子の健気な気持ちがわからないんだよ」
経済的に恵まれていなかった二人は高校を卒業したら一緒に暮らすことを誓いあっていたが、水田が遠縁の家から援助を受け、一人で大学に進学したのをきっかけに別れてしまったのだった。 水田には言葉がなかった。うなだれる水田にゆかりは見せたいものがあるから翌日にもう一度ここに来て欲しいと言う。
一方、純一はせっせとチラシ配りにせいを出していた。その途中、純一は多額の借金を作らされた張本人、白井達次と街でばったりあった。
白井は全く悪びれる風もなく、今夜白黒ショーをやるから見に来たらと一枚のチラシを純一に見せた。純一は驚く。その場所は朱美の家ではないか。俺のスケはすごい淫乱女でと自慢げに吹聴する白井の言葉に純一は激しいショックを受けた。朱美はこんな男と出来てしまったのか…。
その夜、水田は一人朱美の家にやって来た。熱演の白井だったがゆかりは喘ぎながら密かに泣いていた。それを見つめる水田はまだゆかりの心の中から自分が消えていないことを確認する。
ショーが終わって水田はゆかりをまだ愛している事を告白する。
事実を確かめにやって来た純一は、「やっばり朱美の家か…」と街をさまよい歩く。街のチラシ配りで知り合ったソープ嬢の由美子と純一は鉢合わせした。純一は由美子から私と一度どうと誘われていたのだった。
水田とゆかりはかんかんになって意気巻いている白井を無視して自分たちだけの白黒ショーを始めた。
そこに純一からの電話がかかって来る。慌てて取る朱美は純一は一方的に絶交を言渡した。わけがわからず茫然とする朱美。純一は由美子とホテルの門をくぐり、おたがいを求め合ったのである。交わりを終えた由美子は、愛というものはいかにとうといものかと諭すのであった。もう一度、純一は朱美の家に向かうのであった。
最愛の人を失ったショックで茫然とする朱美、誰に見せるともなく一人で悲しいオナニーショーを始めた。
虚しいアクメの中で純一の名を呼ぶ朱美。するとどこからともなく拍手の音がする。驚く朱美の前に優しげに朱美を見つめる純一の姿がある。そうして二人はあらためてお互いの深い愛を確認するのだった。