数分後、二人はベットにいた。彼はためらいながらも、理沙子の躯を十分楽しんた。
理沙子は、川部の執拗な愛撫に、快感を覚えた。
川部には妻がいる。彼の下着フェチという性癖が災いして、喧嘩になり、家を追い出されている身たった。だからここ数日、彼はカプセルホテル住まいだった。
理沙子は恵まれた家庭に育ち、何不自由なく育っていたが大学教授の父親が理沙子に対しては、厳格過ぎるぐらいの人間だった。彼女は父親に反発して家出していた。
寝物語に互いの境遇を話し合った二人は、家出中という妙な一致に親近感を抱くようになった。
その夜、二人はそのままラブホテルのベットで眠った。
翌朝、眼を覚ました川部はとりあえず会社へ行くことにした。別れしな川部はだめで元々と思い、もう一度会う約束を取り付けた。
川部冴子はOLとしてバリバリのキャリアかあった。だがそんな彼女も人には言えない悩みがあった。過食症なのだ。夜中にひたすらスナック菓子を食べては、吐き出す。以前から傾向かあったのだが、夫か出て行ってから、症状か特にひどくなっていた。原因は分かっていても、汚れた妻の生理パンティーを隠し持つ夫が許せなかった。
その夜、冴子は悩みを恩師である松本邦雄に打ち明けていた。 そんな頃、川部は半分諦めなから、理沙子との待ち合わせ場所にいた。だが暫くして、理沙子が現れたではないか。
川部は有頂天で理沙子を食事に誘った。
川部は、食事代を支払うと殆ど金が無くなってしまった。理沙子は仕方なく、彼女が居候している場所へ彼を連れて行くことにした。
そこは、シティーホテルの一室だった。
山野愛が借りている部屋だった。
愛はホテル住まいをしている、高級コールガールだった。ツインベットの部屋に、彼女が男といないとき、理沙子が寝ているのだ。だか、その夜は彼女の常連の客が部屋へ来る日だった。二人は、来たばかりの部屋を出なければならなかった。
二人は、当てもなく近くの公園のベンチに落ち着いた。
ホテルでは愛が現れた客にサービスしていた。高級コールガールとして、かなりの金をとる彼女のセックステクニックは、最高だった。公園のベンチで肩を寄せ合う内に、川部と理沙子は妙な気分になり、ペッティングを始めた。それだけでは済まなくなって、セックスを始めたのである。二人は心の中の何かをぶつけるみたいに、セックスに夢中になった。
松本に相談したものの、冴子の心は癒されなかった。そこへ、松本か電話をして来た。冴子は普段の気丈な性格とは裏腹に、思わず泣き出し、助けを求めた。寂しいのだ。
やって来た松本は冴子を慰めた。そしてどちらからともなく躯を求め合った。
数日後、川部と理沙子はまだ別れずにいた。街をうろついていた二人は、冴子と松本が一緒にいるところを目撃する。二人を尾行した川部と理沙子は、ラブホテルヘ入って行く二人に、愕然となった。
松本は理沙子の実の父親だったのだ。川部と理沙子は二人の入った部屋の隣に部屋を取った。
冴子と松本は積年の思いをぶつけるように、燃え上がっていた。冴子は心の傷を癒すように、セックスに救いを求めていた。
川部と理沙子は隣室の様子を伺いなから、それぞれの思いに心悩ませていた。
川部・と理沙子は、隣室に踏み込んだ。
松本と冴子は、娘と亭主を前に驚きで声も出なかった。
川部は全裸の妻を前にして、君かセックスを出来る相手か見付かって安心したよ、と呟いた。
理沙子は、お父さんが不倫をするような人だって知って安心したわ、と微笑んだ。
亜然としたままの二人を後に、川部と理沙子はホテルを出た。 街へ出た二人は、偶然の出会いの終を悟っていた。また、出会う機会があるのだろうか…。二人は笑顔で別れた。
数カ月後、川部はブルセラショップにいた。川部はふと手にした写真入りパンティーに思わず笑みがこぼれた。その写真は理沙子だったのだ。
理沙子は、彼女の股間を貪るように愛撫する男の顔を抱えるようにして、喘ぎ声を上げていた。ホテルの事件の後、家に戻ったのだが父親は人が変わったように、何も言わなくなっていた。相変わらず何かが物足りなかった。