ところが、隣に越してきた女が突然純子の生活に入りこんできたことから、純子の生活が180度変わった。女の名はミドリ(28)、派手でにぎやかで図々しい女だ。仕事は何をしているのか分からないが、男出入りが激しく、純子の部屋にあがりこんできたのも、酔って拾った男が変態だから、かくまって欲しいという、純子にしたらとんでもない理由だった。
それでも、ミドリの手首の紐の後を見せるけられては、すげなく追い返すわけにもいかない。その夜はミドリを自分のベッドに寝かせまんじりとも出来ない純子。ウトウトするうちにミドリを追ってきた変態に自分が犯されそうになる夢を見る。おまけにミドリまで加勢して純子をいたぶる。覆面の男のサディスティックな前戯のあといよいよという瞬間目が覚めると、純子の手首や足には撫り傷や縛られた跡が・・・。自分の妄想に恐ろしくなる純子だった。
思えば純子の祖母は東北の田舎町で巫女のようなことをやっていた。またちょっとした物に感応して白日夢のような体験をすることもあった。その日を境に純子は他人の性体験を追体験する特異な能力を持ちはじめる。
社長室で書類の整理をしていてふと見つけたルージュの付いたティッシュ・・・。純子のイメージがとぶ。社長室ソファで社長とくんずほぐれつの女の痴態。なぜか女の顔が見えない。白昼夢の中で純子は覗きながら自分のスカートの奥に手を這わせる。「具合でも悪いの」同僚の若い女子社員あづさ(19)の声に我に返り、どぎまぎする純子だ。
ミドリが寝たベッドで自分のではない髪の毛を見つける純子。髪の毛に感応してイメージの世界に入る純子。若い男を迎え入れるミドリ。男から金を受け取り激しいセックスへと展開する。ミドリの絶頂の顔がいつのまにか純子に変わっている。覚醒する純子。喉はからからですでに出勤の時間だ。あわてて部屋を飛び出すと夢の男とはちあわせる。恐怖と羞恥に逃げるように走り出す純子を男が追いかける。必死で逃げる純子を男が捕まえる。
あわてて落としていった純子の鍵を拾ってくれたのだった。セックスのイメージとは違うちょっと気弱で善良そうな男、茂(28)だった。
新婚のあづさに誘われ、純子は家庭を訪問する。自分の特別な能力をもてあまし、悩みをぶちまけたい衝動に駆られるが、若いカップルの開けっぴろげで屈託ない様子を見るに付け、人に言ってもわかりっこないと思い、ついつい飲めない酒を飲みすぎてしまう。
酔いつぶれ気を失ってしまった純子にあづさ夫婦のあまい声が聞こえてくる。またかと思いほっぺたをつねってみる純子だがこれは現実のようだ。聞こえるじゃないと、逃げ腰になるあづさに、大丈夫完全につぶれてるからと夫は意に介せず、やがて純子の存在を忘れたたように激しく絡みあう。寝たふりをしながらそっと自分を慰める純子。
ミドリのところへ手土産を持って茂がやってくる。一緒に食べようという茂に、あたし忙しいからさっさとすることして帰ってと、金を要求するミドリ。失業して払えない茂とミドリの言い合いになり追い出される茂。出てゆく茂。表に放り出される手土産。様子をうかがっていた純子、手土産を拾い上げるが淋しさが感じられるだけだ。茂を追いかける純子。鍵の礼を言って、自分の能力について語る純子。
事務所でコピーを取っている純子。コピー機の光に感応してイメージにとぶ。あづさが下半身むきだしでコピー機こまたがっている。つぎつぎつとすり出される局部のコピー。それを点検していた社長興奮してあづさをひきずりおろし、セックスする。我に返りあわててコピー機から逃げ出す純子。どうしたのと近づいてくるあづさ。その唇がぬめりと濡れている。純子のイメージ。あづさはフェラチオしている。あづさと夫のシックスナイン。混乱して廊下に飛び出す純子。どうしたんだと社長が手をあげる。そのぽってりした指。純子のイメージ。その指に愛撫され、もだえる純子。純子にフェラチオさせる社長。いやがる純子。無理強いする社長。もうおまえじゃたたん、と社長の唇。
街を走る純子。雑踏。ポスター。輝くビルの窓。ぎらぎら光る映像ディスプレイ。街に溢れるあらゆる欲望が純子に襲いかかるかのようだ。純子のイメージ。男たちが手に手にバイブを持って純子に群がる。
疲れきって帰ってくる純子。アパートの前で待っている茂。純子、茂を自分の部屋に入れる。最初は面白いとも思ったけど、いまは他人の欲望に押しつぶされそうだと言う純子。とりあえずやってみようかという感じの淡々としたセックス。慈しむような茂とのやさしさ溢れる営みに夢のようだと思う純子、果たしてこれは現実かしら?と疑った瞬間はミドリと変態男に捕まったシーンへと戻る。さあお楽しみはこれからだ、覆面を取った茂のサディスティックな陵辱が始まる。