出演者:
監督:
黒川幸則
上映期間:
2020/09/02 - 2020/09/08
上映時刻:
シアター:
小金井ハルコと後航平は結婚を控えたカップル。既に一緒に暮らし始めて二ヶ月が経ち、ハルコは専業主婦のような暮しをしている。ある日、マンションの隣室に中年夫婦が越して来た。息子もひとり立ちし、今は夫婦二人で穏やかに暮らしているのだという。その日の深夜、ハルコがトイレに入ると、隣の夫婦の激しい喘ぎ声が聞こえてきた。思わず耳を澄ますハルコ。初めて聴く他人のセックスの音。しかも自分たちとは全く違う激しい声。その日は胸がザワザワしてなかなか寝付けなかった。ハルコは週一回、タイ語教室に通っている。元上司の山本優子に誘われ、何となく通い始め、優子が早々に飽きて辞めてしまった後も律儀に毎週通い続けていたのだった。講師の佐藤義則がハルコに、優子はもう辞めてしまったのかと尋ねた。優子はタイ語に飽きたらしいと答えると、佐藤は何か言いたそうな顔をしたが、ハルコはそれに気付かない。深夜、トイレに籠って隣のセックスを聞きながら、ハルコは思った。世の中にはもっといろんなセックスがあるのにこのまま一人の人しか知らないまま、人生を終えていいの? その頃、佐藤と優子はホテルで不倫セックスに勤しんでいた。数日後、ハルコは優子から合コンに誘われる。いつも以上に押しの強い優子に、断る事も出来ず、結婚前に合コンを体験してみたい気持ちもあったので、結局参加したハルコは、そこでサラリーマンの中野圭介と出会った。そのまま圭介とホテルに入り、抱かれてしまうハルコ。航平以外の男性に初めて触れて、ハルコは悶々とするようになっていた。しかし、航平には、ああしたいこうしたいと言い出せない。結局いつも通りのセックスになるのだった。ハルコはタイ語教室で「男と女のタイ語会話術」という本を見つける。そこにはタイ旅行に行った時に男が女を誘う時の文句や、単純に卑猥な言葉がたくさん載っていた。ぼそっと口にするハルコ。楽しくなったのでその本を持って帰り、家でも何度も口にしてみた。そんなある日、優子から電話があり、突然、佐藤と別れたと聞かされた。次のタイ語教室の帰り際、ハルコは佐藤に呼び止められた。バーで酔っ払ってきたハルコは、自分の思っている事を打ち明ける。「彼氏にほんとはあんな風にしてほしい、でもなかなか言えなくて。」深夜のタイ語教室、ハルコは思い切って、佐藤に自分がして欲しいことをタイ語で口にしてみる。その通りしてくれる佐藤は、航平と違い、丁寧で優しい愛撫をしてくれた。経験が少ないことを見破られたハルコは、恥ずかしくなって、慌てて逃げ出した。ハルコが落ち込んで帰宅すると、航平が、トイレで隣りの夫婦の声を聞いていた。初めて聞く航平は、無邪気に面白がっている。ハルコは航平にキスをし押し倒した。朝が来て明るくなった部屋。ハルコはベランダに出て朝日を見つめている。「これからも、よろしくね」朝日に向かって呟くハルコ。航平は気付かず眠っている。