ある日、美奈子と田中が誰とじいない部屋でSEXしているところを藤岡が目撃した。その日を境に彼の異常さが激烈になった。まだ誰もきていない舞台の上で美奈子に突然襲いかかる。
「わかっているんだよ。キミが俺に抱かれたいことは。でも俺が抱いてやらなかったから田中なんかとしたんだろう……そうだろう?」泣きわめく美奈子のパンティを乱暴に下げ、陰毛をむしりとる。そして美奈子に覆い被さる。が、なかなか入らない、その時彼は童貞であった。初体験からしてレイプという劇的な藤岡の人生の慕開けであった。
そして3年後、藤岡はサラリーマンになっているが、あの時の陰毛をむしりとった快感とレイプの刺激は忘れたわけではない。なぜ藤岡がこのような異常な性欲をもつようになったかというと、彼の母の淫乱さが影響していた。彼が幼いころから平気で男を連れ込みSEXしていた。そんな母親に嫌悪感を抱きながら成長した藤岡は、女性とのSEXが屈折してしまった。特に母親の情事を覗いた際の黒々とした陰毛が、吐き気のするほど汚ならしくイヤだった。それからの藤岡は陰毛を剃ることで汚らわしい女を浄化できるものと信じていた。
ある日のこと彼のポストに「出張マッサージ」のチラシが入っていた。それを見ているうちにあのレイプの快感が蘇ってくる。ひかるが部屋に来た瞬間から、藤岡の異常な言動が爆発した。ひかるをガムテープで緊縛、食事以外は口も塞いでしまった。そして、憶えるひかるを弄び、陰毛を剃り落とし、メチヤクチヤにレイプするのだった。緊縛と剃毛が加わったことで、美奈子をレイプした時よりもさらに強い快感を覚えた。
しかし、それとは別に藤岡は2度目の恋もしていた。相手はスナック「ぼでこん亭」のアルバイトホステスで女子大生の久美である。明るくて元気な久美、彼女と結婚したらどんなに楽しいだろう……と藤岡の妄想は膨らんで行く。
(あのコはほかの女とは違う。きっとぼくの気持ちをわかってくれるはずだ)と勝手に思い込む藤岡だったが、その実、スナックのママや久美は暗い雰囲気の藤岡を内心煙たく思っている。
その頃、取引先の会社に赴いた藤岡はそこでOLになっていた美奈子と偶然再会。美奈子も大人になっていて、「あの時のことは何とも思ってないわ」と言ってくれる。ふたりは酒を飲みに行き、そこで美奈子は藤岡から久美のことを聞かされるのだった。
「彼女は僕の言うことを何でも聞くんだよ。結婚したらきっといい奥さんになってくれると思う」
夢見るような顔で語る藤岡。以来、藤岡は時折美奈子に合っては「久美のSEXはこうなんだ」「とうとうプロポーズした」「もうじき結婚式だ」などと妄想がエスカレートして行く。いつしか妄想と現実が、彼の頭の中で境界線を失っていくのだった。そして、彼は指輪を購入。久美に渡す心づもりで「ぼでこん亭」にむかうのだった。が、むろん久美は藤岡をただの客としか見ていない。ほかの客とふざけていた久美を見て客の男に殴りかかって行った藤岡にアゼンとするのだった。
藤岡はスナックを叩き出される。その夜彼は久美を待ち伏せ。指輪を渡そうとするが久美が逃げようとしたため、彼女の後頭部を殴り付け自宅に運び込む。そして緊縛の上、剃毛。久美は悲鳴を上げて抵抗する。
「これでぼくのものだね? これで結婚してくれるよね?」
「アンタ、普通じゃないわ! イヤよ。誰がこんな変態と結婚なんて!」
口汚く罵られた藤岡はカッとなり、久美をメチャメチャにレイプするに至るのだった。それでも抵抗をやめない久美。藤岡は久美の首を思わず絞めてしまう。と、久美は突然グッタりとなるのだった。 それから彼は会社を無断欠勤してしまう。藤岡の代りに美奈子の会社を訪れた社員Aから無断欠勤のことを聞かされた美奈子は、「もしかして久美ちゃんってコにフラれたんじゃないの?」
と間う。しかし、社員Aは不審そうに首を傾け、「久美?誰だいそれ。藤岡は女っ気がなくて有名だよ。フィアンセはおろか恋人だっていやしないよ」と答えるのだった。不安を覚えた美奈子は住所を調べて藤岡のマンションを訪ねていく。そこにはすっかりおかしくなった藤岡がいて、室内にはロープやガムテープ、バイブ、そして黒々とした陰毛が散らばっているのだった。美奈子は藤岡の愛を受け入れなかった久美が、殺害されたことを知る。
「そんなことないわよ。今に、きっと…」
「ヘタな慰めはよしてくれ!」
藤岡は美奈子にセマって来る。ここで抵抗したら自分の身も危ない……と考えた美奈子は藤岡への同情も手伝って、SEXをさせてやるのだった。
翌日藤岡は逮捕され、美奈子は解放されるのだった。
「私は告訴しません」
と美奈子は言う。気の毒な藤岡をこれ以上ひどい目に合わせるには忍びなかったのだ。藤岡は精神状態が普通ではなかったため、罪には間われず現在は病院で静養している。傍目から見ると意外に明るい入院生活を送っている藤岡。が、彼は精神科医に言うのだ。
「早く退院させてください。ぼく、もうじき結婚するんですから。相手?やだなあ。看護婦の**さんに決まってるじゃないですか。ぼく、女の人にあんなに優しくされたの初めてだからすごく嬉しくて…」
医者は溜息をつく。藤岡の妄想は一向に治っていないようであった…。