ちいさこべ

  • 2019/12/27
出演者:
中村錦之助
江利チエミ
中村賀津雄
監督:
田坂具隆
上映期間:
2020/01/03 - 2020/01/09
上映時刻:
09:00~
シアター:
七人の子らの小さな手に幸福を!錦之助の名演技が泣かせて、巨匠の才腕でほほえむ瑞々しい愛情の世界を描く感動の名篇!江戸大火の焼野原で小さな瞼が濡れている。薄幸の少年たちの幸せのために江戸っ子棟梁錦之助が立ち上がる!人間の善意と素っ裸の愛情を描いた心暖まる江戸人情物語。
江戸の大火で無一文となった大工の若棟梁が、裸一貫焼け出された浮浪児たちを育てるおりつとともに焼野の江戸に雄々しく立ち上がる山本周五郎の同名小説を、名優中村錦之助と巨匠田坂具隆監督が庶民の人情や哀歓を絡めて味わい深く綴った人間味溢れる珠玉の名篇。
神田の名匠大工「大留」の若棟梁茂次は、初めて任された川越の仕事に張り切っていた。そこへ江戸に大火があり「大留」も丸焼け、両親も焼け死んだという悲報が届いた。悲しみに耐えて川越の大仕事を仕上げた茂次が神田の仮小屋に戻ると、幼馴染のおりつが大工たちの世話をしていた。だが呆れたことに焼き出された浮浪児5人も養っていた。茂次は米問屋上州屋の大口仕事を請け負い、親友の材木問屋から3百両を借りて「大留」建て直しに必死になっていて、おりつに子供たちを元の町内に帰せと叱る。おりつは町内の迷惑そうな眼や捨てられると知った子供たちの自棄っぷりに放り出すことも出来ず焼け跡の土蔵に一緒に住むことにしたあ。ある日、米を売り渋る上州屋に激怒した人々が直談判に押し掛け、米を強奪し、茂次の普請場を滅茶苦茶に荒らし回った。その騒ぎの中で茂次は浮浪児の世を呪ったような目つきを見て衝撃を受ける。茂次はつれなく追い出したおりつや子供たちを連れ戻して家に引き取ることにした。そして読み書きを覚えるおりつや子供たちの喜ぶ顔を見て、茂次もしみじみ嬉しくなってくる。茂次は、おりつや子供たちとの明るく元気に生きている姿に、素っ裸になって雑損のように生きることを学んだ。茂次は子供たちのために特別の部屋をこしらえてやった。おりつはその部屋を“ちいさこべや”(小さい子の部屋」と名付けて喜んだ。やがて江戸の焼野原に復興の槌音が響きはじめた。