その日も、彼女は汗をかいた配達員の山本に目をつけると、彼に近づいた。相手にその気がなければ、こちらから仕掛ける。東洋医学にも精通する彼女は、性に関するツボを心得ている。まず、相手の掌にある『精力点』を押さえてみる。これで反応がなければ、今度は背骨の一番下にある『仙髄』を刺激してやればいい。ここを押せば、どんな男ももよおさずにはいられない。後は、ホテルへ連れ込み、男の上に跨る。昼間の手術が難しければ難しいほど、彼女は燃えた。
片山クリニックの診察室。診療を終えた彼女に、しかし休息の時間はない。これから、回診があるのだ。院内に特別に設えた病室。実は、そこは男の性のツボを開発する為の飼育部屋であった。
今、入院しているのは大野弘樹と言う会社員の男。彼の妻・麻子の依頼で、真面目な夫を彼女の思い通りのセックスが出来る男に変えるべく、飼育しているのだ。そして今夜、彼女の施術は完了した。
数日後、大野家のリヴィング。凛子が、麻子から謝礼を受け取っている。麻子は、嬉々として最近の夫婦生活を凛子に語った。
夜の寝室。弘樹は普段と変わりなく、疲れたと言って早々に床に入った。だが、ひとたび麻子がツボを押せば、夫のスイッチがオン! たちまち、やる気マンマンになった。それまでしてくれなかったクンニを始め、尿道口を刺激する『Uスポット』責めや子宮膣部を痺れさす『ポルノチオ性感』と、次々と秘技を繰り出してくる。別人のような夫の愛撫に、麻子は何度もオルガズムを感じるのだった。
凛子は、パソコン通信でも診療を行っている。今日の患者は、年の離れた恋人を満足させてやれないことに悩む矢作直也だ。PCの画面を通して、様々なアドヴァイスをする。
まずは、射精を自在にコントロールする方法。その鍵を握るのは、専門用語で『ピューボコクシギウス』と言う、恥骨から尾骨に至る筋肉群『PC筋』だ。分かりやすく言うと、ペニスをピクンとさせる筋肉のことである。この筋肉を鍛えることによって、快感を損なわずして射精のタイミングを操れるようになれるのだ。
更に、年のせいか精力が減退してきていると言う彼に、腰と性器の両方を鍛えるツボ刺激を伝授した。
通信診療を終えた直也は、教わった通り、訓練をする。
それから数日後、彼は恋人の前原玲奈とのセックスに臨んだ。果たして、ギンギンに膨張した直也のペニスに、玲奈は大喜び。挿入後も、早漏気味だった以前の直也とは別人のように射精をコントロールして、玲奈と同時に果てることが出来た。
片山クリニックの診察室。直也から喜びの報告を受けた凛子は、得意満面だ。「私の手にかかれば、男など可愛いもの。ペット同然だ」その気分のまま、彼女は男狩りへと出かけた。目をつけた男(清水)に痴女行為をする。込み合ったエレベータの中、無理な姿勢での挿入。ふたりは、果てた。
ところが、その様子を窺っていた男がいた。山本だ。凛子にツボを刺激されて以来、勃起しっぱなしの彼は、彼女に仕返ししようと、その行方をずっと探していたのだ。漸く見つけた凛子を、一緒に縛り上げる山本。「あんまり男をバカにするな!」そう言って、彼女を犬のように犯した。始めこそ抵抗していた凛子だが、乱暴に陵辱されるうち、えもいわれぬ悦楽の深淵に落ちていくのだった。
数日後。いつもと変わりなく、患者を診察している凛子。だが、その股間にはバイブが仕込まれていた。山本が遠隔操作でバイブにスイッチを入れる。すると、凛子の性欲にもスイッチが入り、彼女は白衣を脱ぎ捨てると、目の前の患者の上に被さっていった……。