出演者:
監督:
舛田利雄
上映期間:
2019/12/17 - 2019/12/19
上映時刻:
シアター:
十九世紀末。ロシアの南下政策は満州からさらに朝鮮にまで及び、朝鮮半島の支配権を目指す誕生間もない明治維新政府の意図と真っ向から衝突した。開戦か外交による妥協か、国内では激論がうずまいていた。軍事力、経済力ともに弱小な日本にとってロシアは敵にするには強大すぎた。しかし、幾度となく開かれる元老閣僚会議で、次第に開戦論がたかまっていくがロシアの強大さを熟知している伊藤博文は戦争回避を主張していた。巷でも、開戦論で民衆を煽動する壮士グループと、戦争反対を叫ぶ平民社とが対立。ある日、開戦論に興奮した民衆が平民社の若い女、佐知に殴りかかろうとしているところを、通りがかった小賀が救った。その頃、伊藤は参謀本部次長の児玉源太郎と会見、対露戦の勝算を問うていた。児玉は早いうちにロシアに打撃を与え、講和に持ち込むしか勝つ道はないと訴えた。明治三十七年二月四日、御前会議で明治天皇は開戦の決議に裁可を下した。ここに日露戦争の幕が切っておとされた。日本軍は陸と海で破竹の進撃を開始した。伊藤は前法相の金子堅太郎をよび、アメリカのルーズベルト大統領に講和の調停役を引き受けるように説得を要請する。そうしたなかでも、神田のニコライ堂ではロシア人司祭によるロシア語の講座が細々と続けられ、出席していた小賀は、そこで偶然にも佐知に出会った。思いがけぬ再会に、二人の間に愛が芽生えた。やがて、金沢の小学校教師である小賀も出征することになり、彼を慕って金沢までやって来た佐知と愛を確かめあう。小賀の小隊には、豆腐屋の九市、ヤクザの牛若、その他梅谷や米川たちがいた。戦況は次第に厳しさを増し、海軍はロシア東洋艦隊に手こずり、陸軍は新たに第三軍を編成、司令官に乃木希典を命じた。旅順の陥落が乃木にかせられた任務だったが、ロシアはここに世界一という大要塞を築いていた。ロシア軍の機関銃の前に、日本軍は屍体の山を築いていく…