ある夜、常連の藤本だけとなった店を看板にしょうとすると、鋭い目に筋者の迫力を持つ広之が入って来てコーヒーを注文する。閉店時間も過ぎ若干迷慈顔の正。広之は、ナオミの身体を舐め回わすようにみつめ、冗談っぽく「お嬢さん、いくらなら浮気します?」とナオミに言う。ナオミは「そうね、今、百万くれれば」といたずらっぽく答えるが、広之は懐中から札束をボンと出し「さあ、行こう」とナオミの手を引く。唖然とする正、藤本、ナオミに「冗談なんか言ってない」と凄みのある声で強引にナオミを連れ出してしまう。
ヤクザであると直感した正たちは、迫うことも警察に連絡することも出来ず、ただ見送るだけであった。
ハッと我に返った正は、飛び出しナオミを探し始める。雨でズブ濡れになった正は、ミツ子という女に店まで送ってもらう。ミツ子は正の話を聞き、ナオミが帰るまで身の回りの世話をやくことになる。
一方ナオミは、広之の高級アパートヘ連れ込まれオーラル・セックスを強要される。実は広之はヤクザ組識・三国会の若頭で、対立組識・山城連合の会長を刺し八年の刑期を終えて出所したばかりの身だった。広之はナオミを自分の女にして、セックステクニック、特に口でのセックスを覚え込ませようとしているのだった。ナオミはアパートに監禁状態にされ、広之の強制的なセックスに序々に女としての歓びを教えられ、正との生活はどうでもよくなり出し、一度広之の元から逃げ出したものの、その後特に逃げようとはせず広之との愛欲に溺れで,いった。そしてついに、口とノドでのハイテクニックをマスターし、広之も満足感を感じていく。ナオミの目つきは変っていた。今では広之という男にさえ満たされ得ぬものを感じ、獣のような女になっていたのだ。ナオミは広之の元から逃げた。ナオミは正の店へ行き喜ぶ正の顔を見て「行かないでくれ」と哀願する正をおいてまたどことなく出て行ってしまう。
ナオミは、巴絵という三国会の会長の情婦が元締めをしている売春シンジケートの稼ぎ頭として、暮していた。ナオミのオ-ラル技術は高い値で売れた。小栗というある財界の大物の囲い女こしてぜいたくな生活をしているのだった。ナオミの評判は「喉にクリトリスがある」というもので、高級売春婦から、大物財界人の女へ変貌していった。
正は、仕事も手につかなかった。ミツ子は慰めるすべもなく、ただ体を与えるだけであった。ミツ子は、正とナオミを完全に切って、正といっしょに生活をして行きたいと思っている。そんなところに、小栗を連れたナオミがひょっこり現れ、前から正が移転したかった駅前の喫茶店の権利害をプレゼントだと言って持って来た。ナオミはニコニコしてすぐに帰ったが、正は書類を受取る訳にはいかないと、巴絵のマンションヘ乗り込む。巴絵は、ナオミは正たちの手には負えない女になったと言い、正を軽くいなし、それを証明するからある廃工場へ行けと言う。
一方、広之は死に物狂いでナオミを捜し当て巴絵のやっかいになっていることを知ると、腕づくでナオミを引っぱっていこうとするが、巴絵が三国会の息がかかっていることを話すとどうしようもなくいらだって帰ってしまった。ナオミは、広之をなんとかいためつけたいと思っていた。
廃工場に行った正は、呼び出された広之が三国会の若者達に殴られ、ボロボロになっているのを目撃する。気絶した広之を、見ていたナオミが車でひき殺してしまう。青ざめた正にミツ子が寄って来てすがりつき泣きじゃくる。ミツ子は錯乱状態になった。
数日後の新聞に、正がミツ子を絞殺した記事が載っていた。その記事を見ながら、ナオミは小栗の愛撫に悶えていった