ある日、映画館に馴染みで兄貴分の鉄哉が妻の香と訪ねて来た。鉄哉は、日本ではまだ高価な医薬品を海外から安く密輸していたが、捜査局に見つかり逃げ回っているらしい。海外逃亡を決めた鉄哉は、薬と足を怪我している香を匿って欲しいと頼んだ。ほとぼりが醒めたら迎えに来ると言い、仙吉と香は愛しあった。香は仙吉の部屋を掃除して洗濯もし、料理も作ってくれた。味気ない独身生活がまるで新婚生活のように急変し仙吉は心ときめくが、兄貴を裏切れず香には手を出せなかった。
一ヶ月が過ぎ、香の怪我は良くなったが、そこへ鉄哉が逮捕されたというニュースが舞い込んだ。そのまま時は流れ…。