会社を引き受けた実業家の小窪は、富美子にも援助を申し出るが、愛人になるという交換条件は、冨美子にはとうてい受け入れられなかった。富美子は今でも真吾の思い出にひたりながら、愛の小道具だった張り型で自分を満足させていた。
富美子は、いくつもある部屋を下宿人に貸して、生計を立てることにする。会社員の元岡、俳人を名乗る吉岡、OLの笠井淳子が部屋を借りた。
元岡も吉岡も、すぐに家主の富美子に引かれる。元岡に気がある淳子には、それが面白くない。
経済的にも精神的にも小康状態の富美子の前に、またも波乱をもたらす人物が現れた。真吾の愛人だったという君塚匠だ。
匠はニュータイプのディルドー『張り型』のデザイナーをしていて、真吾の生存中は、ポコチン・モデルもしてもらったと言う。真吾の残した張り型も、匠がデザインしたものだった。
驚く富美子だが、今になって自分に何の用があるのか尋ねる。匠は、デザインの基礎資料として、日本人の男根の形態、サイズ、変化の模様などを調査しているが、富美子の下宿人たちに協力してもらえないかと言う。
断固として拒絶する富美子だが、協力してもらえないなら愛人として慰謝料を請求するという匠。
困り果てた富美子は、たまたま訪ねてきた小窪に相談する。いまさら慰謝料なんて支払う必要はないと言う小窪だが、富美子のためになるなら自分も匠の調査に協力してもいいと申し出る。
それを匠に伝えると、喜び、富美子の家で計測することになる。成り行きでセックスになってしまう匠と小窪。
それをたまたま部屋にいた淳子が知る。この家でイヤラシイことが行われていると、元岡に告げ口するが、元岡と吉岡は、富美子が因っているなら自分たちも協力したいと張り切ってしまう。 困惑しながらも、匠にそれを伝えると、今度は富美子自身に計測してくれないかと、難題をふっかける匠。遺品の張り型が、愛人の匠のデザインだったことにショックを受けていた富美子だが、一方で匠の仕事に興味を持ったことも事実だった。
しかし、家主の自分が、下宿人たちの下半身の計測なんて出来るわけがないと断る富美子。ところが匠は、元岡たちをそそのかして、ぜひ富美子の役に立ちたいので、計ってもらいたいと申し出らせる。
匠の狙いは、もともと美大出身の富美子をディルドー・デザイナーにすることだった。富美子はやむなく、元岡と吉岡のポコチンを計測する。興奮したポコチンを立てながら、二人はそれぞれ富美子に愛を告白する。
元岡には好感を抱いていた富美子だが、こんな安直なことで結ばれたくはない。
一方、匠は富美子に、デザインの仕事を持ちかける。職業を持って自立しなけれはと考えていた富美子は、モノがモノだけに迷いながらも、引き受ける。
深夜、張り型をデザインする富美子。しかし、行き詰まり、ポコチンの現物が必要になる。元岡に協力を依頼し、チェックしながら、思わずくわえてしまう富美子。
感激の元岡とセックスとなる。結婚したいと言う元岡に対して、当分は下宿の家主をしながら、ディルドー・デザイナーとして自立の道を探りたいという富美子だった。