かつてのある夜。繁華街の路上にギャル風のスミレがバッグを抱えて座っている。サラリーマン風の金田が彼女を買った。ラブホテルに着くと、スミレは金田に前金を要求し、2万円を受け取り抱かれた。事後、寝入った彼の財布から金を抜き取ろうとするが見つかってしまう。
顔面鼻血まみれのスミレが、地下道に座り込んでいた。ゴロウは大丈夫かと声を掛ける。安くするから遊ぼうと言うスミレに呆れ、数日食べていないという彼女のゴリ押しに負けて店に連れて行った。店じまい中の明美はその姿を見て目を丸くするが、出された焼きそばを夢中で食べるスミレを微笑ましく見つめた。
その日、三沢や矢木澤ら常連が集う中、明美はご機嫌だった。夫・ゴロウが6年ぶりに刑務所から戻って来るからだ。翌日、出所したゴロウを見た明美は幸せそうな表情を浮かべ、二人は熱く愛しあった。
三沢と矢木澤にブリ大根を出すスミレ。口にした二人は口々に「料理の腕を上げた」「ママと同じ味」だと言った。未来の旦那について盛り上がるが、ゴロウは貰い手などくるものかと言った。棚に飾られた写真立てから、笑顔の明美が見守る。彼女の三回忌が近づいていた…。