その日の静流は、いつにもまして美しかった。実は、高校の同窓会があるのだ。いそいそと出掛けて行く静流を見て、啓は昔の恋人に会って焼けぼっくりに火、なんてことにならないか、心配でいてもたってもいられなくなる。
同窓会は盛り上がり、その後、静流は久しぶりに会ったクラスメイトの円城寺薫と三枝孝子と3人で2次会へと繰り出した。彼女たちが訪れたのは、普通の主婦の静流には馴染みのない高級料亭。弁護士夫人の薫と院長夫人の孝子は、夫の名前を使って時々利用しているらしい。酒も進んで、薫と孝子が静流にある話しを持ちかけた。「ねぇ、セカンド・ワイフ・クラブに入らない?」それは、静流と同じく後妻である彼女たちが、夫たちに内緒で集まっては食事などするセレブのクラブらしい。セレブ、と聞いて参加を申し出る静流。すると薫が、「メンバーになるからには、互いの秘密を打ち明けねばならない」と言い出した。結束を深める為だ。
まず、孝子が秘密を打ち明けた。彼女の秘密とは、年上の義子・恭一との不倫であった。年の離れた夫は既に男性機能を失い、恭一と肉体関係を持ったのは自然の成り行きだったと語る。今は、夫の目を盗んで、毎日のようにしているらしい。話を触いて、驚く静流。だが、そんなことなら私も同い年の義子・章介としていると、薫は悪びれるふうもなく言った。「私の秘密は…」薫が言いかけた時、静流の携帯電話が鳴った。啓からだ。「僕も用があって、こっちの方に来てたんだ。同窓会が終わってたら、一緒に帰らない?迎えに行くよ」だが実は、啓は心配して同窓会の会場からずっと静流の後をつけて来ていたのだ。今の静流にとってはグッドタイミングの助け船だった。
啓の運転する車で帰って行く静流を見送る薫と孝子。ふたりは舌なめずりをする。「思っていた以上に可愛い息子じゃない」「それにあの子、静流に変な妄想抱いてるわよ」「脈ありね」
静流の留守を狙って、薫が啓のもとを訪ねたのは、それから数日後のことだった。初めは、清楚さを装っていた薫だが、やがて純真な啓に毒牙を剥く。啓がトイレに行っている隙に、彼の部屋に忍び込み、彼が隠し持っていた静流の下着を発見した薫は、それをネタに彼を追いつめる。「あなた、お義母さんのことが好きなんでしょう? 実は、静流もそうなの。啓くんに、抱いて欲しいと思ってるのよ」それを聞いて驚く啓。しかし、童貞の彼はセックスに自信がない。そこで、薫は彼が恥をかかないようにセックス指導をしてやるのだった。
同じ頃、静流は孝子に義子と寝るよう言われていた。「静流、クラブに入りたいんでしょう?クラブに入ったら、楽しいわよ。セレブの仲間入りが出来るのよ。その為には、人に言えない秘密を作るの。それが条件」l回きり。一回きりの禁断の関係を持てば、ハイソな世界が待っているのだ。次第に毒されていく静流……。
その晩。果たして、静流と啓はどこかぎこちなかった。そして深夜、ふたりは遂に禁断の関係を持ってしまうのである。体当たりでぶつかってくる啓のセックスに、心で抗いながらも感じてしまう静流。事後、ふたりは一度きりと約束する。
それから数日後。静流に薫と孝子からクラブの集まりの誘いがあった。いそいそと出掛けて行く静流。だが、彼女を待っていたのは、スワッピングだった。3人の女たちの前に現れた、マスクをつけた3人の男たち。しかも、その男たちの正体は、それぞれの義子。そう、セカンド・ワイフ・クラブとは、妻子たちを交換してスワッピングを楽しむ義母たちの会だったのだ!
最初は1対1。やがて、静流は章介と恭一のふたりに攻められ、若い啓は薫と孝子の熟女の餌食となる。そんな息子の姿を見て、静流は言った。「やめて!息子を食べないで!」静流は、息子を愛してしまっていたのだ。
散会後、薫と孝子が相談している。「静流は見込み違いだったわね」「また、新しい相手、探しましよう」
結局、静流はクラブには入らなかった。だが、事件がきっかけで息子への愛に自覚めた彼女は、啓との関係を続けている……