夜。東京本社に単身赴任中の高野正明の部屋に、何やら怪しい影。実は、妻と離れて暮らす生活が淋しかろうと、房江が夜這いをかけて来たのだ。かねてから、「私を東京の奥さんだと思って接してくれていいのよ」と言ってくれていた房江。本物の妻より過激に奉仕してくれた。
現在、若竹寮には、正明の他に、入社以来、長年この寮に暮らしている本間昇がいた。そんな彼らに、新しい仲間が増えた。新入社員の戸田俊平が入寮して来たのだ。
まだ幼さの残る俊平に、房江は優しく声をかけてやる。「私のことを東京のお母さんだと思って、なんでも相談してくれていいのよ」すると、それまで慣れない東京の生活や仕事のせいで元気をなくしていた俊平の顔に、笑顔が戻った。「本当に、お母さんだと思っていいんですか?」
風呂。房江が、俊平の体を洗ってやっている。実家では、いつもこうして母親が体を洗ってくれていたと言うのだ。俊平のマザコンぶりに面食らいながらも、房江は要望に応える。
更に、就寝時には、添い寝もしてやった。「お母さんのおっぱいを触りながらじゃないと眠れないんだ」と言って甘える俊平。
数日後。昇に、縁談が持ち上がった。相手は、取引先の重役令嬢で、年齢は28歳。申し分のない話だった。しかし、昇はあまり気が進まない様子。「こんなに若い子、俺には勿体ない」だが、これは出世のチャンスでもある。房江は、「会ってみるだけでも」とお見合いを勧めた。
お見合いの日。相手の沢井真希は、積極的な女性であった。堅苦しい席から昇を連れ出すと、「結婚にはセックスの相性が大事」と、彼をホテルに誘った。めくるめくような真希とのセックス。相性は、悪くなかったようだ。
昇の縁談は、とんとん拍子に話が進んだ。房江は、それを喜んだ。「よかったじゃない。これで、長かった独身生活ともお別れね。でも……、本間さんがいなくなると、若竹寮も淋しくなるわねぇ」そう、実は房江と昇は、言葉にこそ表さなかったが、秘かに互いを想い合っていたのだ。
その晩。房江が寝ていると、またしても怪しい影。だが、房江はそれが昇ではないかと秘かに期待していた。が、影の正体は俊平であった。彼は、恋の相談にやって来たのだ。房江は、がっかりしながらも相談にのってやる。
会社で知り合った女性と交際することになった俊平。ところが、彼はまだ一度も女性と付き合ったことがなく、セックスもどうしていいか分からないのだと言う。そこで、房江はセックスの仕方を教えてやるのであった。
今日は、昇が寮を出る日だ。結婚はまだだったが、昇をいたく気に入った真希の父親がマンションを買ってくれたので、そちらに引っ越すことになったのだ。昇を見送る房江。結局、ふたりは互いの気持ちを言い出せないままだった。
とその時、正明が大声をあげて、ふたりのところへ駆けて来た。「房江さん、大変だ。俊平が、2階から飛び降り自殺しようとしてるんだ!」
慌てて表へ飛び出す房江たち。見ると、切羽詰った表情の俊平が2階のベランダの柵にへばりついていた。どうやら、彼女とのHに失敗し、自信をなくしたらしいのだ。「どうせ僕なんか、ダメな人間なんだ」しかし、房江の必死の説得で、俊平は自殺を留まった。
夜。房江は、俊平にH指南してやった。「落ち着いてすれば、難しいことなんてひとつもないのよ」房江の指導がよかったのか、俊平は童貞喪失に成功した。でも、房江は複雑な想いだった。「本当は、昇さんとしたかった……」
それから数日後。今日は、単身赴任を終えた正明が退寮する日だ。「淋しくなるわね」房江が正明を送り出す。「奥さんを可愛がってあげるのよ!」
その夜。眠っている房江の部屋に、怪しげな影。蒲団に潜り込んで来たのは、なんと昇だった!「やっぱり、房江さんが好きだ。出世なんかどうでもいい」ふたりは結ばれ、何度も何度も絶頂に達した