三十路過ぎのしのぶには、別居中の夫と小学生の息子がいる。息子の親権を得る為、彼女は広告で見つけた人材紹介会社へ通い、職探しをしていた。
紹介施設で偶然ぶつかったことで、しのぶはと信次は出会った。その帰り道の公園で、ベンチに座る信次が弁当を落とし、しのぶが拾おうとした。信次は会社を辞めてから紹介会社へ何度も通っているが、就職は難航していた。そんな彼の前に弥生の幻影が現れ、在りし日のように求めあった。
信次の煙草の本数が増えたので、葉子は彼を心配した。働き口が見つからずストレスを抱える信次には、娘の優しい思いに応える余裕もなく、逆に葉子を傷つけてしまう。結婚も認めてもらえず、自分の言葉が伝われないすれ違いから、やがて葉子は家を出て行ってしまった。
そんな中、信次は度々しのぶと会うようになり、互いを励まし合う…。