二人を見ながら煙草に火を付ける健一。そこへ現れる人相の悪い中年男。悪徳芸能プロマネージャー・黒埼康治だ。「おおやってるな。社長、どうだ、上玉だろ」と萩村。「萩村さん。ああ、確かに今度も上玉だ」と笑う健一。「ホスト遊びを覚えさせてすでに借金浸けにしてある」と萩村。借金浸けと言う言葉を聞いて健一の表情が歪む。「裏ビデオに4、5本出して、後はホテトルかソープでタップリ稼いでもらうさ」と続ける上機嫌の萩村。浮かない顔を愛想笑いで誤摩化す健一。
健一のアパート。妻のやよいが未払いのギャラの取り立てに来たドキュメンタリービデオのスタッフに詰め寄られている。出資者に逃げられ、健一が一人で大赤字をかぶった。「絶対泣き寝入りしませんよ。奥さんも家でのほほんとしてないで、水商売でもなんでもして働いたらどうですか?」などと捨て台詞を残して帰るスタッフ。健一から電話が入る。「あいつ、帰ったか?」「ええ、大丈夫。帰ったわ。早く、戻って来て」
ベッドの中の二人。「畜生。スタッフなんて仕事を貰う時はぺこぺこしやがって、ギャラが払えないとなるとまるで手のひらを返したように極悪人扱いだ」と憤る健一。「あなた抱いて」健一にセックスを求めるやよい。「ゴメン、疲れているんだ」とセックスを拒む健一。「私こそゴメンなさい。今、大変な時期だものね」「ここのところ少しづつだが仕事が回って金を作れている。借金はもうすぐ返せる。心配ないよ」と言う健一。しかし、未払いのスタッフ全員支払うとなると、簡単に返せる額では無い事を良く知っているやよい。
翌日、健一の事務所。慌てて出迎える卓也。「社長、遅いですよ。大変なんですから」と卓也。黒埼が来ている。「何だい、黒埼さん」「今日は頼みがあってな。ちょっとした付き合いのあるヤーさんなんだが、断れなくて」「ヤーさん?」怪訝な顔の健一。別室で待っている如何にも凶暴そうな初老のヤクザ・坂口と色気ムンムンのその愛人・昌枝。「あいつは自分の愛人が目の前で別の男に犯されるのを見て興奮するっている変態なんだ。きょうはどうしてもプライベートビデオを撮りたいんだと」と萩村。「えっ?!」絶句する健一だっが