かつて働いていた高校の前を、買い物袋を持った町子が通り掛かる。懐かしい校舎を眺めていると、ふと美術室に目が止まる。町子の視線の先に半裸で絡み合う、元教え子の柚木と由美子の痴態。慌てた町子は買い物袋を落としてしまう。足早にその場を立ち去る町子。すると、遠くから買い物袋を持った柚木が走ってくる。町子は久々の教え子との再会だが、先ほどの痴態が頭から離れず動揺する。「今から先生の家に遊びに行っていい?」と言う柚木に町子は思わず頷いてしまう。
町子の家でコーヒーを飲む二人。ギクシャクして会話が成り立たない。すると柚木が「先生、美術の時間、ずっと俺の事見ていたでしょ」と言い、町子に口づけを迫る。嫌がる町子だったが柚木の強引な誘いに、だんだん体を許していく。燃え上がる二人・・時間を惜しむように求めあう。
翌朝、柚木が目を覚ますと、隣には誰いない。昨日の事が夢のように感じる。キッチンには町子がコーヒーを入れて待っている。コーヒーを飲んだら家に帰りなと言う町子に、柚木は「帰らない」と言う。家庭の事情で友達の家に泊まり歩く柚木は帰る場所が無かった。「俺、先生の好きな事、何でもしてあげるよ」と柚木が呟く。無言でコーヒーを飲む町子・・。
その夜、春樹が出張から帰ってくる。いつもより明るく出迎える町子に春樹は驚いた。「何かいいことあった」と町子に聞くが、「あなたが帰ってきたから」と意味ありな笑みを浮かべるだけだった。食事を終え、夫婦の寝室で愛しあう二人。積極的に春樹の体を求める町子。その視線の先には少しだけ開かれた押入れがある。真っ暗な押入れの中には、後ろ手に紐で縛られ股間を膨らませた柚木がいた・・。
翌朝、春樹が家を出て行ったあと、押入れが開かれる。虚ろな目をした柚木に「先生、柚木君に見られていると思うと、凄くコーフンしたよ・・」と町子が言い、徐に柚木の股間をまさぐった。それから・・。町子と柚木の濃厚で破滅的な生活が始まった。ある時は、SMチックに相手をいたぶり、ある時は、柚木に化粧をして偽りのレズプレイとありとあらゆる性的プレイを楽しんだ。しかし、二人の儚い恋物語は町子の妊娠と共に突然終わりを告げる。
ある日、町子は自分が妊娠した事を柚木に話す。「俺の子?」と言う柚木に対して「夫の子に決まっているでしょ」と町子が言う。沈黙が二人を包み、お互い何かを忘れようとするように、体を求めあった。
翌朝、柚木がいなくなった押入れの中に、独りぽつんと町子の姿があった。