そんなある日、妹の玲美が尋ねて来た。最近婚約した玲美は、結婚式が近付くにつきマリッジブルーになっていた。美沙子はなんとか説得しょうとしたが、玲美に「お姉ちゃんの結婚を見て、ますます嫌になったのよ」と言われ、返す言葉もなかった。
鏡の中の自分は、確かに独身時代のような輝きがなくなった。玲美にはっきりと指摘され、美沙子は落ち込んだ。
そんな時、高校の同窓会の誘いの電話があった。久し振りにあった友人たちのほとんどはまだ独身だった。おしゃれ、グルメ、ディスコの話についていけなくなった美沙子は、同じ主婦になっている恭子とともにカフェバーで飲み直した。
美沙子は、自分より早く結婚した恭子が、自分より輝いていることが不思議に思えた。そんな美沙子の女心をくすぐるように、恭子はアルバイトを勧めた。「お金とSEXよ、女を輝かせるのは」という恭子の言葉に戸惑いを感じたが、好奇心もなかったわけではない。
恭子のポケベルが鳴った。恭子は、客の待っているホテルへ美沙子を送った。
美沙子は、結婚して初めて、夫・靖夫以外の男に抱かれた。心地良い酒の酔いもあって罪悪感と好奇心が交じりあって、美沙子は、今までに味わったことのない絶頂感を知った。
美沙子は、夫には「カルチャースクール」に通うと言って、ポケベル売春を始めた。
靖夫は「カルチャースクール」に精を出す美沙子を歓迎するようになった。
以前より美沙子はきれいになってきた。それ以上に靖夫を喜ばしたのは、積極的なSEXで夜の夫婦生活が変わったことである。 未だに結婚をグズっている玲美は、最近急に美しく華やかになった姉に驚いた。姉に理由を聞いても「結婚よ」と笑って取り合わなかった。ポケベルが鳴り、電話をした後、美沙子は玲美を残して出掛けて行った。不審に思った玲美は、美沙子の後をつけた。
美沙子はあるホテルに入って行った。「お姉さんは不倫をしてるの?」と愕然とする玲美。
美沙子の客は、玲美の婚約者・耕作だった。「お姉さん!」と叫び呆然としている耕作をベッドに誘う。「どうしてこんなことをしてるんですか?」美沙子は答えの代わりに耕作の下半身を愛撫した。「玲美にフラれて欲求不満なんでしょう」と言って、耕作を押し倒した。確かに耕作は、婚約破棄と同時にSEXを拒まれて、むしゃくしゃしてホテトルに電話をした。でも、まさか玲美の姉・美沙子がホテトル売春をしているとは思いもつかなかった。
そんな耕作の動揺など売春婦になりきっている美沙子には関係のないことだ。客も喜び、自分も楽しめるSEXをすることだけが美沙子の肉体を占領していた。「玲美には内緒よ」と言って、豊満な乳房を押し付けられた耕作は、とうとう我慢の限界を越えてしまった。メスになりきった美沙子の激しいSEXに何度も何度も放出した。
ホテルから出て来た美沙子を、玲美が後ろから呼び止めた。激しく姉の不貞を責める玲美に、美沙子は「不貞なんかじゃないわよ。ゲームよゲームよ。うらやましかったら結婚すれば」の一言を残して去って行く。
数週間後、ラブホテルのベッドの上で男の愛撫にあえいでいる玲美がいた。男は耕作ではない。けれども玲美の左手の薬指には、結婚指輪が輝いていた。
町中を楽しそうに歩いて行く主婦三人組。美沙子が「結婚って人生の墓場?」と聞くと、恭子と玲美が「天国だぁー」と叫ぶ。
大都会の雑踏の中、誰かのポケベルが鳴り響いている。