好きでもない男と寝てしまうことに自問自答する事もあり、そんな時は友人の乃亜と話すのが常だ。乃亜は亘が経営するバーでバイトしており、常連客の昌也と付き合っている。
夏は寝た男や乃亜の部屋を渡り歩き、あまり家には帰っていない。母親の節子と折り合いが悪く、父親代わりである祖父の仁志だけの時間帯を狙って帰っていた。仁志は夏に時折小遣いを渡したりしている。節子は生まれてすぐに亡くなった長男と夏を何かと比べるので、仁志と節子の関係は年々悪化していた。
そんなある日、乃亜に振られた将也が自殺するという事件が起こる。復縁を迫り、望みが叶わないなら死ぬと口にしていたが、まさか本当に死ぬとは思わなかった。乃亜は気丈に振る舞いながらも、それからバイトにも大学にも行かなくなった…。