宏之は死亡、了子は奇跡的にかすり傷ひとつなかった。
死んでも死にきれない宏之は、現世に帰ってきた。
最初は生き返ったつもりで、歓喜に震えた宏之だが、了子に対する必死の呼びかけも、彼女にはかすかな幻聴のようにしか聞こえないことを知る。
宏之の意識がカムバックしてきたのは、彼の葬式が終わって1週間後のことであり、了子は喪服で喪に服していた。愛する了子とともに生きられるなら、これも幸せなことかも知れないと考え直す宏之。ところが、了子を取り囲む現実はそんな甘いものではなかった。
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